GLP-1ダイエットについて


ヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は、インクレチンという消化管ホルモンの一つであり、食事摂取により小腸下部から分泌されます。GLP-1は血糖依存性のインスリン分泌促進、グルカゴン分泌抑制、食欲抑制、食物の胃からの排出遅延、膵β細胞保護作用などの作用があります。通常、体内のGLP-1は、すぐにDPP-4という酵素によって分解されてしまいますが、DPP-4に分解されにくいGLP-1受容体作動薬の注射剤が開発されて、現在、糖尿病や肥満症の治療に使用されています。

 

院では、自費診療で、このGLP-1注射製剤を用いたダイエットをサポートしています。

 

現在、当院で使用できる製剤は、オゼンピックとマンジャロの2種類です。料金はこちらをご覧ください。

 

【対象】

原則として、BMI25以上の方となります。ただし、糖尿病などの他の病気がある方は、ご利用になれません。

 

【治療の流れ】

まず、電話でご予約頂き、診察前に身長や体重、血圧測定を行ってから、問診と採血等を行い、適格性を確認してから、治療を開始していきます。注射の使用方法は看護師が指導します

 

【治療期間・治療回数】

原則4週間毎に通院して頂きます。治療期間は数ヶ月から1年程度ですが、個々の目標の体重によって異なります。

 

【リスク・副作用】

低血糖、膵炎、胆石、胆嚢炎、胆管炎、吐き気、腹痛、下痢、便秘、湿疹等が起きる場合があります。

 

低血糖は激しい空腹感とともに、頭がボーッとしてきたり、手足が震えたりするもので、速やかにブドウ糖が入った飴などの食品を摂取してください。特に運転中にそのような症状が出た場合、事故にならないように速やかに安全な場所に停車してください。

 

膵炎、胆石、胆のう炎、胆管炎などは強い腹痛とともに、発熱などの症状を伴う場合があります。これらの症状が起きた場合には、薬剤の使用を直ちに中止して、医療機関を受診してください。医療機関を受診する際には、GLP-1製剤を使用していることを医師などに必ず説明してください。

 

吐き気や下痢などの胃腸症状は次第に慣れて改善してきますが、辛い時には使用量を減らすと改善する場合があります。

 

接種部位が赤くなったり、腫れたり、硬くなったり、痒くなることがあります。

 

医薬品ではありますが、保険適用外使用のため、医薬品副作用救済制度が受けられません。詳細はこちらをご覧ください。

 

 


Q&A

Q BMI25未満では利用できませんか?

A 場合によってはご利用になれます。個々の事情をお聞きして、医師が判断いたしますが、他院において低血糖による事故が起きている現状から、過度の減量目的には応じられません。

 

Q 注射をやめるとリバウンドしますか?

A リバウンドします。ただし、全てリバウンドする訳ではないようです。当院では、目標体重に到達した後は使用量を減らして、体重増加しないように維持することをオススメしています。

 

Q GLP-1の内服薬は取り扱っていますか?

A 取り扱っておりません。治療効果と忍容性の観点から、当院では今後取り扱う予定はありません。

 

Q 保険適用薬のウゴービの処方は可能ですか?

A 当院では処方の要件を満たすことができませんので、処方できません。

 

Q こちらで採用しているGLP-1注射製剤と保険適用薬のウゴービとの違いは何ですか?

A 当院で採用しているオゼンピックとウゴービは同一成分の薬ですが、ウゴービの1回使い切り製剤とは異なり、オゼンピックは1本で用量を調節して、複数回注射することが可能です。オゼンピックは投与量を調節することで、ウゴービとほぼ同じ量を投与することが可能ですが、全く同じ量を投与できない場合があります。また、もう1種類の採用薬であるマンジャロはウゴービと薬効が似ており、1回使い切り製剤ですが、成分に若干の違いがあります。

 

 

 

 


当院で採用しているGLP-1製剤に係わる情報について

 

「入手経路等」

 ノボノルディスクファーマ社製のオゼンピックと日本イーライリリー社製のマンジャロを、国内の薬品卸会社を通じて入手しております。

 

「国内の承認医薬品等の有無」

オゼンピックと同じ成分を有する注射薬として、ウゴービという肥満症に対する承認薬があります。使用には各種要件が必要です。当院ではご利用になれません。

 

 

「諸外国における安全性等に係る情報」

・GLP-1製剤による急性腎障害の報告があります。嘔吐、下痢などによる脱水、レニンーアンジオテンシン系阻害薬の併用、腎障害の存在がリスクとされています。

・基本的に、妊婦、膵炎の既往がある方、甲状腺髄様癌の既往または家族歴がある方、多発性内分泌腫瘍の既往または家族歴がある方は禁忌とされています。