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卵アレルギーとインフルエンザワクチン


現在、日本で使用されている不活化インフルエンザワクチンには微量の卵の成分が入っています。インフルエンザはウィルス感染症であり、学校や保育園という集団生活をしている子供は感染が広がりやすく、喘息の悪化や高熱、脱水、脳症のリスクなどを少しでも避けるために、子供への接種が特に勧められます(特に5歳未満)。しかし、子供は時に卵アレルギーを持っている場合があるので、ワクチン接種を心配される保護者の声を聞くことがあります。

 

結論からお伝えしますと、卵アレルギーの方でもインフルエンザワクチンの接種は可能です。たとえ、卵アレルギーで重症なアレルギーであるアナフィラキシーを起こしたことがあっても可能です。世界的な過去のデータでは、卵アレルギーを持っている人にインフルエンザワクチンの接種で、重篤な反応を起こした報告はないとされています。卵アレルギーがない人と同じように、接種することが勧められています。

 

しかしながら、インフルエンザワクチンも含めた様々なワクチンの接種自体で、稀ですがアナフィラキシーを起こす場合があることから、アレルギー対策をしている医療機関で接種することが望ましいと言えます。当院では、アナフィラキシーを起こした場合に備えて、薬剤、点滴、酸素吸入、人工呼吸(挿管+用手換気)の設備があります。万が一の場合には、上述の応急処置をしてから、クリニックで手配した救急車で受け入れ先の病院に搬送することになります。私はこれまで幸いにもワクチンでのアナフィラキシーの症例は経験したことがありませんが、そこまで想定しています(私は過去に、他の原因によるアナフィラキシーの症例は経験しています)。ですから、そもそも応急処置の設備がない、あるいは設備があってもアナフィラキシーの対応をしたことがないような医療機関は本来避けた方がよいということになります。

 

さて、いよいよ当院でもインフルエンザの患者さんが増えてきました。ワクチン接種から抗体ができるまで1ヶ月かかると言われています。来年はぜひ10月〜11月にはインフルエンザワクチンの接種を始めるようにオススメします。13歳未満までは2−4週間あけての2回接種が勧められていますので、流行直前に2回目を接種できるようにすると理想的です。大人の人達もワクチンを接種して、子供達を守ってあげたいですね。