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風疹ワクチン接種無料化の問題点


今日の時点で厚生労働省のホームページをみてもソースが確認できなかったのですが、メディアによれば、厚生労働省が12月11日に、風疹の抗体保有率が低い現在39~56歳の男性(1962年4月2日~79年4月1日に生まれた男性は、2019年から21年度末までの約3年無料で抗体検査と接種を受けられることになると発表したそうです。抗体検査の結果の判定は、メディアによって違いがあるのですが、抗体陰性か、免疫が不十分の人は、接種が無料で受けられるそうです。

 

しかし、この内容にはいくつかの問題点があります。

 

まず、実際の開始日が2019年からなのか、2019年度からなのかはっきりしないのですが、どちらにせよ今すぐ免疫が必要な人は間に合わないおそれがあります。

 

次に、便宜上は抗体価(IgG)による免疫力の評価が一般になされていますが、実は抗体単独では実際の免疫力を十分に反映しているわけではないので、そもそも抗体検査は不要という考えがあります。あくまで抗体は免疫力の一部なのです。さらに恐ろしいのは、実際の運用方法があいまいなのですが、抗体が弱陽性の場合、免疫力があると判断されかねない内容になっていることも注意が必要です。これまで自費などで自分で2回ワクチンを接種した人以外は、2回ワクチンを接種する方が簡単で迅速です。抗体検査と風疹ワクチン接種の値段は実際はさほど変わらない点も重要です。本来は明らかに風疹にかかった人はワクチンは不要なのですが、診断や記憶があいまいになりやすいので、罹患が明らかな場合以外は考慮しなくてよいと思われます。

 

ワクチン行政の反省にたって、無料化すること自体は素晴らしいことなのですが、その内容はいくらか残念な内容と感じます。自分や自分の家族、周りの人たちを守るのは自分自身がワクチンを2回接種すればよいだけです。ワクチンは1ヶ月以上あけて2回接種が推奨されています。当院では1回4,000円で風疹ワクチンの接種が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。